考えすぎるひとの日記

基本ゆるやか時々激しく過ごすぞ

㊳はじめてのギャラリーで出会った夜の町の絵

今週のお題「最近あったちょっといいこと」

このお題を見たとき「なんかいいなぁ。」という気持ちになり、書こうと思った。

さあ、頭をひねって眉間にしわを寄せながら

「生きていれば良いことのひとつやふたつくらいあるだろ、早く出てきやがれ。」

一分後、ちゃんと出てきた。さあ書こう。

 

最近の私は刺激に飢えていた。

「新しい経験をしたい知りたい知りたい知りたい。」

この衝動は定期的にくるものだったので、その度私は映画館に赴き沈めてきた。だが、とうとう映画館には飽きたらしく、しぶしぶ他のものを探すことになった。しばらくネットで探していると、とあるギャラリーにて絵の展示があるとの情報を見つけた。ギャラリーには一度も行ったことがなくちょうど良いと思った。

すぐに支度を整え、外に出る。電車を乗り継ぎ目的地へと向かう。目的のギャラリーは静かな住宅街の一角にあった。なんと入場料は無料である。いざ入るとそこには複数人のクリエイターの作品が展示されており順番に見ることにした。明るい色彩の麗らかさを感じさせる絵、笑顔の女性の絵、心の中の葛藤をテーマとした絵、どれも魅力的だった。が、私は滞在時間のほとんどをあるクリエイターの絵の前で過ごした。その絵は淡い青や紫が特徴的で夜の人のいない町の絵だった。少し怖いがわくわくしてしまう夜の散歩のような絵でずっと見ていても退屈しない。私自身も昼の喧騒にまみれた町ではなく夜のシンとしたあの空間が好きだった。深夜とは日常の中の非日常を与えてくれる空間なのだ。とても気に入ってしまった私は最終的に絵の前に置いてあったポスターカードを購入し、るんるんでギャラリーを後にした。

 

購入したポストカードは家の机の上に置き、たまにコーヒーを飲みながら眺めたりしている。これからも夜の町のような非日常さを感じられる出会いがあればと思う。