70 青天の霹靂 デブの朝散歩
おはよう、今日は早く目が覚めた。
と言っても時刻は6時である。
「学生の頃はもっと早起きしてたのになぁ。」なんて思った。
久々に発生した早起きデーだが、やっぱり眠い。けれど二度寝は避けたい。
頭の中で議会を開き解決策を議論する。
少し経つと議長が「朝散歩」という解を提示してきた。
私も異論はなかったのでその案に従うことにした。
家を出る。
とりあえず私は近所にある大きな公園を目指した。
朝の陽光はなんだかやさしく気持ちは穏やかになる。
某精神科医YouTuberも朝散歩を強く提案していたことに納得した。
そう思いながら歩いていると公園の入り口に着いた。そのまま進む。
またしばらく歩くとそこには一台の懸垂バーがあった。少し考える。
「多少太ったとはいえ最近ではジムにも通っている。五回、いや三回くらいなら。」
そう思いながら近づく。
そして少しひんやりとした金属の棒を両手で掴み、ぶら下がる。
「ふん!」、背中と腕に力をいれた。………………しかし、動かない!?
嘘だと思い再度行う。………………されど動かない。
確かに家族や知人は私に対して太っていると言っていた。
私自身も自覚はあったが「多少」という認識で済ましていた。
今なら分かる彼らは本気でそう言っていたのだと。
棒を掴みながら空を仰ぐ。重力が非情にも答えを示していた。
真っ青な空である。
しばらくの間、頭の中には「青天の霹靂」という言葉が木霊し続けた。